山本和弘選手レースリポート MTBアジア選手権大会

選手兼監督という立場で参加した今回の2012年アジア大陸MTB選手権大会はこれまでの競技生活の中で特に思い出深い大会となった。日本選手団全員がメダル獲得、出場カテゴリーすべてでチャンピオンジャージを獲得、そして夢であった兄弟でのアジア選ワンツーを達成できた事にこれ以上の成績を今はイメージできないでいる。このメンバー、このスタッフとともに戦ったアジア選を一生の宝にしたいと思っている。
この大会については出発寸前まで開催があるのか分からない状態で準備を進めていった。実際2007年にこの大会は中止になっているし、本来ならば8月にこの大会が行われる予定が延期になってこのタイミングになっている。それでも、出場できる資格を獲得した事でこの大会に対するモチベーションはMAXになり、できるだけの準備を進めていった。アジア最強の山本兄弟を証明するために。これまでの2年間の活動で、アジア圏の各選手の実力は把握していて、十分に兄弟でのワンツーが可能だという自信が常にあった。大会前には弟の幸平がブラジルでのレースで体調を崩している事がわかっていたので、弟の体調が回復する事を祈りながら、何があってもどちらかがチャンピオンになる準備を進めていった。そして、今回はチームマネージャーとしての働きがあったので、チームがスムーズに動けるような準備も同時に進めていった。
レバノンへの移動はドバイを経由するルートを通っていった。途中見る景色は砂漠だらけで乾いた大地だけが見えていた。近くになると緑が見え始め、そこが今回の大会の場所レバノンだった。滞在先についてはじめにした事はレバノン料理の昼食を食べる事だった。とにかく量が多く、野菜中心の食事に皆が喜んだ。翌日、現地のサポーターとともにコース試走に出かけた。コースを2周しただけだったが、自分としては相性の良いコースだと強く感じる事ができた。テクニカルなセクションと長い登り坂。言うまでもなく得意なコース設定だった。それからの3日間は日曜日のレースのための調整に時間を費やしていった。部屋は弟の幸平とジュニアの公平選手との3人部屋だった。同じ『KOHEI』が2人いる空間に戸惑いを感じながらの生活だった。
決勝当日晴れ。スタート時間は11時という事で、いつもよりも前倒しで準備を進めていった。気持ち良く喉を通る補給食に調子の良さが感じられた。毎日欠かさずJOE先生のカイロで調整を重ねたのも影響しているだろう。とにかく身体が軽かった。アップがてら40分ほどホテルから会場まで幸平と移動し、会場に着くと先にレースしている女子の片山選手が独走優勝を決めていた。これには大いに刺激をもらった。早く走り出したい気持ちとともにスタートラインに並ぶ事ができた。位置は最前列。今回のレースをレバノンではLIVE放送するという事で、スタート時間が放送のために少し遅れるとハプニングはあったが、問題なくスタートする事ができた。はじめのスタートループを4番で入り、先頭は幸平、2番カザフスタン、3番香港、4番自分の順でレースが始まった。コースは序盤下り基調のためにそのままの順位でレースが進んでいった。テクニカルな箇所が続くコースで後続が大きく離れていくのが確認できた。コース後半の1.5kmほど続く長い登り坂で2番手に上がり、そのままペースを維持して後ろを離していった。前を見れば幸平が見える。イケる!1周終了時点で幸平とは30秒前後、後ろとは10秒ほどの差があった。2周目がはじまりテクニカルセクションでペースを上げて後ろを離していくことに成功。その後の登り坂でも踏み込み単独2位に持ち込む事ができた。もっともっと兄弟でのワンツー体制を確実にするために平地でもギアをかけて後ろを離していった。2周目終了時点でまだ後ろが見えるので、再度テクニカルゾーンでペースを上げて走っていると、いきなり後ろが見えなくなった。パンクのトラブルがあったようだ。その後後ろが見える事はなかった。そして、後半はパンクのリスクを最小限にするように気をつけて走り、ラストラップに入っていった。難しいテクニカルセクションをクリアし、長い登り坂を登り切った時、兄弟でのワンツーが確定した事がわかった。思わず声が出た。ヨッシャ!その後は幸平の待つゴールエリアに飛び込み、幸平とのハイタッチを決めた。涙が止まらなかったし、嬉しさが爆発した。いつも2位で喜ぶ自分だけど、それも兄弟の宿命で、優勝するために日本を出て努力を続ける弟の姿を一番近くで見ているから喜べるし、自分も弟に負けない努力をしている自負がある。だから素直に喜べる。表彰式ではこれまで感じた事のないような喜びが込み上げてきた。これ以上の成績を今はイメージできない。そう思った。
閉会式のセレモニーの途中でサプライズがあった。それはチームJAPANからのサプライズプレゼントだった。レース翌日の自分の誕生日を記念するサプライズ演出をしてくれた。最高にうれしかった。最高に幸せな時間だった。最高のメンバー、最高のスタッフ、最強の兄弟で戦った2012年アジア選手権大会を一生忘れないと思う。この経験を今後の活動に活かしていきたいと思っている。

 Photo By joe39.net

 

使用機材

バイク:

CANNONDALE

FLASH29er Mサイズ

サスペンション:

CANNONDALE

LEFTY 29er 100mm XLR

チェーン:

KMC

X10SL

チェーンオイル:

EVERS

CARBON CHAIN SPRAY「DRY」

サングラス:

ADIDAS

「Evel eye Halfrim Pro L」

タイヤ:

MAXXIS

F&R 「IKON」29×2.2  前2.2bar,後2.2bar

ヘルメット:

BELL

「Gage」

ブレーキ

MAGURA

Marta MT8

ペダル:

VP ONE

サドル:

FI’ZI:K

TUNDRA

ハンドル&プーリー KCNC

ホイール:

NoTubes

NoTubes ZTR 29er RACE GOLD(KAZU Special)

ボディーメンテナンス:

COMPEX

インソール

CONFORM’ABLE

グローブ&ソックス

SUGOi

シューズ

MAVIC

フーリー

バイクキャリア

PIAA

TERZO

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